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リーマンショック以降の各国の対策

欧州連合の場合

欧州連合に加盟する多くの国は、「ユーロ」という、統一通貨を採用しています。今回の世界同時不況で、「ユーロ」の存在は大きかったと思いますよ。今、世界の経済はお互いが複雑に絡み合っており、このような世界同時不況になると、1国の政策だけでは根本的な解決にならないのが現状です。 なので、関係の強い国々が同時に政策を行うことが大切なんですね。

ユーロは複数の国が採用していますので、「足並みをそろえて行動する」 という意味では最適な環境でした。ヨーロッパにはユーロを採用していない国もあります。イギリスやデンマーク、バルト3国なんかがそうですね。

たとえばイギリスの場合、ドルに対するポンドの下落率は、なんと30%近くにもなっているんですよ。 また、デンマークのクローネも対ドルで30%近い下落になっています。短い期間で通貨価値が30%も下落するなんて異常です。国際的な経済活動に大きな支障が出てしまいますしね。

ところが、ユーロは対ドルで10%ほどの下落しかしていません。これは、複数の国々が、同じ政策を同じタイミングで行った証拠です。つまり、 「ユーロを採用している国々でタッグを組み、今回の世界同時不況に結束して立ち向かっている」ということが言えるんですよ。1国では対策に困るようなものでも、タッグを組めば話は別物です。こうやって、対ドルや対円で下落はしたものの、なんとか下落率だけは小さい幅に収めることが出来ているんですね。

このような流れから、「じゃあ、私たちの国もユーロを採用しようじゃないか!」 という国が増えるのは自然な流れです。統一通貨の「利点」とは、お金の「往来」がやりやすくなることで、経済活動を協力して行うことが「容易になる」ということです。もし、ヨーロッパ各地でユーロ採用が加速すれば、 世界の経済の構図は大きく変わるかもしれません。

ところで、「世界の工場」と聞いて、皆さんはどの国を思い浮かべますか?そうです。やっぱり「中国」ですよね。安い労働力と広い国土を持っている国ですから、世界中の会社が中国に工場を建てているんですよ。しかし、「安い労働力」という意味では、ヨーロッパにも魅力的な国はたくさんあります。先ほど紹介した「バルト3国」もそうですし、「ハンガリー」なんかもそうですね。もしこれらの国々がユーロを採用したとすれば、ユーロを採用している国々からすれば取引がやりやすくなりますし、 「それじゃあ、中国よりヨーロッパに工場を建てよう!お金のやり取りも簡単だし、物理的な距離も近くなるからね。」という動きが加速する可能性があると言えるんです。

先ほど、「世界の経済の構図が大きく変わるかも…」ということを説明しましたが、この流れが加速すれば、まさに「世界の構図が変わる」かもしれないのです。今後、欧州連合の動きとしては、ユーロ採用の国が増えるのかどうか、 私たちも注意して見守る必要がありそうです。