貿易

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貿易の状況も、景気を判断する上で重要な要素です。その国の貿易の状況を表したのが、「貿易収支」というもので、貿易で儲かっているのか、赤字なのか、それを数値化したものだと思ってください。この貿易収支、なぜ重要なファンダメンタルなのかと言うと、「貿易は外貨獲得の重要な手段」であるためです。貿易収支で「黒字」を出しているということは、その国には世界のマーケットにとって魅力的な生産物があり、また、それを軸として外貨の獲得に成功しているという事が言えるのです。

たとえば、日本は「車」の輸出で潤っている国です。(リーマンショック前は…)つまり、日本では「車」という製造業が盛んに行われており、世界のマーケットに大きな影響を持っているということになります。したがって、さらに貿易収支が黒字化すれば、日本の製造業がより活発になってきているという証拠であり、より多くの外貨の獲得が期待できるということになります。逆に赤字に転落したなら、製造業が後退している証拠であり、資金の海外流出が始まる局面にあると言えるんですよ。

もう一つ、例を挙げてみましょう。南アフリカです。南アフリカは、最近はエタノール事業で注目を集めていますし、ダイアモンドの世界最大産出国でもあります。輸出するものが、たくさんあることが分かりますよね。つまり、外貨を獲得するには理想的な環境と言えます。実際、外貨を多く獲得している南アフリカは、いまだかつてないほど大きな経済成長を見せています。

いかがですか?貿易収支は外貨獲得の状況を知る上で、とても大切なファンダメンタルであることはご理解いただけたでしょうか?しかし、ここで一つ「勘違い」をする人がいます。「外貨を獲得すると国の経済は成長するけど、投資家が手を引いたら一発でアウトでしょ?」これは、あまりにも大きな間違いです。投資家が引いて一発でアウトになるのは、「投機マネー」の話であり、「貿易黒字」の話ではありません。つまり、投機マネーとは「その国のお金」ではなく、「投資家から借金をしているお金」 なのです。投資家たちから、「今すぐ借金を返して下さい!」と言われると、一発でアウトになってしまうという構造です。

しかし貿易による黒字は、借金ではなく「その国のお金」です。なので、誰も「返せ!」とは言えませんよね。分かりやすく言いかえると、「他人のお金」が投機マネーであり、 「自分のお金」が貿易黒字である。ということです。投機マネーではなく本当の「その国のお金」として、 貿易収支を分析することは大切と言えるのです。