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ファンダメンタルズ分析

「ファンダメンタルズ分析」なんて言葉、 聞いただけで頭痛がしてきそうですよね…(笑) しかし、難しいのは言葉だけで、 意味そのものは何も難しいものではありません。 要するに、「国内経済が安定するための条件」ということです。


雇用

「雇用」 について考えてみましょう。実は、ファンダメンタルで一番重要なのは雇用と言っても間違いではありません。雇用が悪化すると、国内経済はどうなるでしょうか?もちろん悪化しますよね。では、国内経済が悪化するとどうなるでしょうか?投資家たちが不安を感じて資金を引き上げますよね。それでは、資金が引き上げられたらどうですか?そうです。ここで「為替が動く」のです。雇用は全てのファンダメンタルに影響を与え、雇用の悪化次第では全ての要素が悪い方向に行く可能性があるのです。

たとえば、雇用状況が悪化して失業者が増えたとします。「派遣切り」が深刻化している今の日本と同じ状況です。このような事態になったら、物を買う人が少なくなります。こうなると、物の値段を下げてでも売る必要がありますよね。「雇用の悪化→物価の下落」 という図式が完成してしまうんですよ。

また、物が売れないと製造業や不動産業界が打撃を受けますし、こうなると経済全体に悪影響を及ぼしてしまいます。このように、ファンダメンタルに順位をつけるわけではありませんが、少なくとも「雇用」は基本となる存在ですので、最も注意して見るべきポイントと言えるのです。

雇用に関する情報は、各国の「厚生労働省」が発表しています。雇用を分析する時は、短いスパンで見るのではなく、比較的、長いスパンで見ることをオススメします。目安としては6~12ヶ月くらいのスパンですね。この長いスパンで雇用を見ることで、景気の長期トレンドを予想することも出来ますし、今後の取引内容の目安にもなることでしょう。

物価

雇用がファンダメンタルズ分析の「基本」であるのに対して、その影響を最も受けやすいのが「物価」と言えます。たとえば、あなたが職を失ったとします。次の職が見つかり、安定した収入が出来るまでは、やっぱり無駄遣いはしませんよね?できるだけ節約した生活を心がけるはずです。となると、困るのは「販売業界」です。売りたくても買う人が少ない。でも、売らないと売り上げにつながらない・・・ じゃあ、値段を下げてでも売る必要が出てくるんですよ。また、同業他社との少ない顧客の「取り合い」になりますので、1社が値段を下げれば他社も値段を下げる必要が出てきます。 これが、 「デフレスパイラル」 と呼ばれているもので、 国内経済に大きな悪影響を及ぼします。

国内経済を考える上で、最も「理想的な経済成長」とは、「緩やかなインフレ」が続くことです。緩やかなインフレが続くことで、これにあわせて企業は少しずつお給料を上げていく必要がありますし、それに伴い、経済全体も緩やかに成長を続けることが出来るんですね。したがって、リーマンショック以降の日本のように、完全にデフレスパイラルに陥ってしまうと、成長がストップするどころか、マイマスになってしまうこともあります。

実際、2009年度の予想として、日本はマイナス成長になるのではという不安もあるほどです。このように、物価の下落は経済成長の「不調」を示しているものであり、経済成長の期待が出来ない国には投資としての魅力はありません。つまり、その国の通貨の下落が予想できるんですね。そんな時は、「買い」と「売り」のポジションを逆にしておくことで、変動差益を狙って利益を上げることが出来るのですが、このトレンドに気がつかないと、思わぬ損失を出してしまうこともあります。だからこそ、「物価」というファンダメンタルを分析することは、「雇用」と同様、その後の取引内容を決定する大きな要因になり得るのです。

「物価」についての情報は、 「物価指数」などの名前で紹介されていることが多く、こちらもFX業者が発表してくれるので安心ですね。「なるほど。物価指数がこうなると、経済にこんな影響が出るのか・・・」 など、徐々にその重要性を理解していってくださいね。

住宅事情

「住宅事情」も、その国の経済を予想する上で欠かせない要素です。「雇用」もそうですが、「住宅」も、「他に影響を与えやすいファンダメンタル」と言えます。では、具体的に説明してみましょう。

リーマンショック以降、世界中で「車」が売れないのはご存知ですよね?アメリカの3大自動車メーカー「ビッグ3」も、この不況で経営に深刻なダメージを受けています。「不況だから車が売れないんでしょ?」 と、簡単に言うならそれが正解なのですが、もっと具体的に分析すると、「家(マンションも含む)が売れないから車も売れない」 という事が言えるのです。家がなければ車を持つ意味はありません。優先順位として、住宅は車より「上」なのです。

したがって、順位が上である住宅が売れないのに、車が売れるはずがないというのが、最も正しい分析なんですね。車の生産は「製造業」に分類されますので、日本やアメリカのような車の製造が盛んな国からすれば、「住宅不振→製造業の後退」という「ファンダメンタルズ分析」が成立するわけです。

このように、「家が売れないなら、これも売れない」というもの、他にもたくさんありますよね?例えば、「家具」なんかがそうです。「引越屋さん」だって、売り上げは減少するでしょう。「家具」や「引越」となると、もはや株取引の話になってしまいますが、このように、一つの「悪い(良い)原因」による影響を分析すること、これが「ファンダメンタルズ分析」です。

FXの世界で住宅を見るポイントとは、ずばり「不動産バブルかどうか」です。リーマンショック以前の新興国には、共通して不動産バブルが勃発(?)していました。不動産バブルは国の経済を一気に押し上げるので、さらなる外貨獲得のため、政策金利を上げる可能性が出てきます。となると、スワップポイント狙いで魅力のある通貨になりますので、それを考慮しつつも、各国の住宅事情を注視したいものですね。

製造業

「製造業」が「ファンダメンタル」であることに、少し疑問を感じる人も多いようです。「世の中、色んなお仕事があるのに、なんで製造業だけがファンダメンタルズになるの?」と思った方も多いと思います。もっともなご意見だと思いますが、製造業がクローズアップされているのには「訳」があるのです。その理由は、「従事している人の割合が一番多い」 ということです。

したがって、製造業が不振に陥ってしまうと・・・ 勘の良い方ならお分かりですよね?そうです。「雇用」に大きな影響を与えるのです。「雇用はファンダメンタルの基本である」 と説明しました。様々な部分に影響を与える要素として、「雇用」は特に注意してみるべきポイントでしたね。その雇用に大きな影響を与えるものこそ、「製造業」 なのです。しかも、製造業が好調だということは、それだけ「物が売れている証拠」でもありますし、物価指数が「安定上昇にある」という表れでもあるのです。

さらに、国内需要だけでなく海外需要にも対応しているとなると・・・ 後ほど解説しますが、「貿易」にも影響を与えるんですね。それほど、製造業の状態は全業種の中でも重要なものであり、だからこそ、「ファンダメンタル」として位置づけされているのです。

雇用統計を見るとき、業種別の統計で製造業だけが悪化しているなら、統計の数字自体はそれほど悪くなくても、経済全体に悪影響を及ぼす可能性があるので要注意です。それだけ製造業は全業種の中でも重要なファクター言えるのです。

景気

FX取引を行う上で、欠かすことが出来ない用語ですね。景気のよくない国の通貨に投資をしても、危険ばかりが目立って、何も魅力的ではありません。しかし、一言で景気といっても、景気とは経済全般の「総合値」ですから、何を基準に景気が良いのか悪いのか、その判断に苦しみますよね。経済のプロであれば、様々な観点から、「うむ。この国の景気は良い!」とか言えるでしょうが、素人にはサッパリ分かりません。

しかし、何も心配することはないのです。各国の政府が様々な側面から総合的な景気を判断して、 それを分かりやすい「数字」で表現しているのです。このように、総合的な数字による景気の具合を、 「景気動向指数」 と言うんですね。景気動向指数は、「生産」「販売」「雇用」「資材」「設備」「資金」などなど… まだまだ他にもたくさんありますが、これらの状態を総合的に分析して、その結果を数値化することで景気の目安にすることが出来るのです。

この景気動向指数は、「50」が一つのラインになります。50を平均値として、それ未満なら景気は「後退局面」ということであり、51以上であれば、景気は「拡張局面」に入っているということになるのです。わざわざ細かいファンダメンタルを分析しなくても、この数字を見ればその国の景気動向が一発で分かるんです。

貿易

貿易の状況も、景気を判断する上で重要な要素です。その国の貿易の状況を表したのが、「貿易収支」というもので、貿易で儲かっているのか、赤字なのか、それを数値化したものだと思ってください。この貿易収支、なぜ重要なファンダメンタルなのかと言うと、「貿易は外貨獲得の重要な手段」であるためです。貿易収支で「黒字」を出しているということは、その国には世界のマーケットにとって魅力的な生産物があり、また、それを軸として外貨の獲得に成功しているという事が言えるのです。

たとえば、日本は「車」の輸出で潤っている国です。(リーマンショック前は…)つまり、日本では「車」という製造業が盛んに行われており、世界のマーケットに大きな影響を持っているということになります。したがって、さらに貿易収支が黒字化すれば、日本の製造業がより活発になってきているという証拠であり、より多くの外貨の獲得が期待できるということになります。逆に赤字に転落したなら、製造業が後退している証拠であり、資金の海外流出が始まる局面にあると言えるんですよ。

もう一つ、例を挙げてみましょう。南アフリカです。南アフリカは、最近はエタノール事業で注目を集めていますし、ダイアモンドの世界最大産出国でもあります。輸出するものが、たくさんあることが分かりますよね。つまり、外貨を獲得するには理想的な環境と言えます。実際、外貨を多く獲得している南アフリカは、いまだかつてないほど大きな経済成長を見せています。

いかがですか?貿易収支は外貨獲得の状況を知る上で、とても大切なファンダメンタルであることはご理解いただけたでしょうか?しかし、ここで一つ「勘違い」をする人がいます。「外貨を獲得すると国の経済は成長するけど、投資家が手を引いたら一発でアウトでしょ?」これは、あまりにも大きな間違いです。投資家が引いて一発でアウトになるのは、「投機マネー」の話であり、「貿易黒字」の話ではありません。つまり、投機マネーとは「その国のお金」ではなく、「投資家から借金をしているお金」 なのです。投資家たちから、「今すぐ借金を返して下さい!」と言われると、一発でアウトになってしまうという構造です。

しかし貿易による黒字は、借金ではなく「その国のお金」です。なので、誰も「返せ!」とは言えませんよね。分かりやすく言いかえると、「他人のお金」が投機マネーであり、 「自分のお金」が貿易黒字である。ということです。投機マネーではなく本当の「その国のお金」として、 貿易収支を分析することは大切と言えるのです。